❶新生児中毒性紅斑

生後数日間に、胸や背中などに赤い斑点やブツブツ、小さな水ぶくれなどができる新生児特有の皮膚トラブルです。新生児中毒性紅斑の原因は不明ですが、胎内環境から胎外環境への急激な変化に適応する過程で起きる、生理的な変化だと考えられています。2週間ほどで自然に治るのが特徴です。

❷乳児脂漏性湿疹（新生児脂漏性湿疹）

生後2～4 週以降の赤ちゃんに多い皮膚トラブルの一つです。皮脂の分泌が盛んな頭部、額などに、黄みがかったかさぶたができて、湿り気のあるフケがたくさん出ます。乳児脂漏性湿疹は、患部をよく洗って清潔に保つことで、生後8～12 か月ごろまでには自然に治ります。基本的には積極的な治療は不要ですが、赤みやかゆみなどの炎症を伴う場合、症状が長引いている場合は外用薬による治療が必要です。

❸アトピー性皮膚炎

乳児脂漏性皮膚炎と似ているため乳児脂漏性皮膚炎と区別することは難しいです。ただしアトピー性皮膚炎では頭や顔以外の部位にも湿疹病変がみられることが多いです。さらに乳児脂漏性皮膚炎と異なるのは、再発を繰り返すことです。

乳児湿疹の多くは、積極的な治療をしなくても、成長とともに自然に治ることが多いです。ただし、乳児湿疹の症状が長引いている、かゆみ・赤みが出ているといった場合は、アトピー性皮膚炎の可能性もあります。自己判断で市販薬を使用しないほうがよいと考えます。皮膚科専門医に相談しましょう。

患部に炎症が出ている場合は、医師の判断でステロイド外用剤やその他の塗り薬などで治療を行います。また乳児湿疹を予防したり、症状を改善させたりするためには、正しくスキンケアを行うことが大切です。低刺激性の石鹸やシャンプーを良く泡立てて、泡で包むようにやさしく洗って、しっかり保湿しましょう。