帯状疱疹

帯状疱疹とは

帯状疱疹の原因ウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は、初感染では水痘(みずぼうそう)になりますが、この時に主に皮膚にでた発疹から神経内にウイルスが潜伏します。 免疫機能の低下でウイルスが再活性化されると神経内で増殖し、赤い丘疹や水疱が神経の走行に沿って帯状に出現します。知覚神経が障害されるため、痛みを伴います。 よって基本的には、他人から感染して帯状疱疹になるわけではありません。

帯状疱疹

診断方法

診断方法としては、発疹の塗抹標本をアセトンで固定後、ギムザ染色を行って、ウイルス性巨細胞をみる方法や、迅速診断キットにて行います。 症状としては、初期に軽症であっても、無理をすることで重症化しますので自宅安静が必要です。

治療

治療としては抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル)の全身投与を出来るだけ早期に開始することが大切です。 帯状疱疹の出現している時の急性期疼痛に対しては、アセトアミノフェン、非ステロイド薬が使用されます。 激烈な疼痛の場合は、神経ブロックを行います。

疼痛は普通皮疹の出現に先立って認められますが、皮疹と同時に出現するものや遅れて出現するもの、あるいはまったく疼痛を欠くものもあります。 痛みの大部分は皮疹の治癒と同時に消失しますが、一部の症例では皮疹治癒後にも痛みが残り、年余にわたって疼痛が続く場合があり、これを帯状疱疹後神経痛といいます。 この帯状疱疹後神経痛の発生率は約3%で、60歳以上の高齢者や、初期に重症な者ほど移行しやすいといわれています。初期の抗ウイルス薬投与の重要性が叫ばれております。

帯状疱疹ワクチン

現在では50歳以上の患者には、保険適応にて帯状疱疹ワクチンを打つことができます。米国での検証によると、50歳以上の者に水痘ワクチンを接種し、その後の帯状疱疹出現頻度、重症度、帯状疱疹後神経痛の有無など4万人を対象に調査を行った結果、重症度、帯状疱疹後神経痛への移行、帯状疱疹罹患頻度が減少したと報告しています。