イボ

ウイルス性イボ(尋常性疣贅(ゆうぜい)について

顔や手足など、様々な部分にイボ(疣贅)はできます。 一般的なイボとして知られているものがウイルス性イボ(尋常性疣贅)であり、手指や足の裏側に生じることが多いです。ウイルスの皮膚への感染によりできます。 (※非ウイルス性イボについては、一番下に説明していますのでぜひご覧ください。)

ウイルス性イボ

原因

HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに感染することでできます。 皮膚表面の小さな傷からウイルスが侵入して繁殖することで、イボが発症します。 プールや銭湯など素足で多くの人がマットを共有するような場面や、スリッパの共有なども感染する可能性があります。また、イボが生じている部分を自分で触れてしまい、そこから手指などに感染が拡大するようなこともあります。

症状

足の裏や指、手の指や手のひらに、皮膚の一部が盛り上がったしこり状のものが生じます。 数ミリ~1㎝ほどの小さな盛り上がりで、1箇所だけに生じることもあれば数か所に発症することもあります。痛みやかゆみなどの症状はほとんどなく、自覚症状がないケースも珍しくありません。足の裏にできた場合には皮膚が盛り上がらずに、ザラザラとして硬くなることが多いです。放っておくと他の場所に感染が拡大してしまう早めに皮膚科専門医に受診する必要があります。

検査

ダーマスコピー検査により、イボ内に血管の拡張をみた場合に疣贅と診断します。 また、まれに皮膚癌との鑑別が必要な場合には、一部組織を採取(皮膚生検)し、顕微鏡にて確定診断を行います。

治療

基本的には液体窒素を用いたイボ冷凍凝固法で治療を行います。 マイナス196℃の液体窒素を浸した綿棒をイボの部分に数秒当て、イボを凍結させる方法です。この治療法ではウイルスに感染しているイボが皮膚ごと壊死して剥がれ落ち、新しい皮膚が再生されます。 ただし、一度の治療ではウイルスを破壊することが出来ないため、複数回(10回以上)の治療が必要になります。治療を繰り返している内に感染部分の免疫が高まり、正常な皮膚に変わっていきます。1~2週間に1度のペースで継続して治療を行う必要があります。 自己判断で治療を止めてしまうと、再発や感染拡大してしまう可能性があります。 ほかに2019年尋常性疣贅診療ガイドラインでも推奨されている、ヨクイニンエキス内服や、サリチル酸含有の張り薬を併用しながら当院では治療していきます。 また難治性で液体窒素で反応が乏しい場合には機能的に問題なければ外科的な切除も行います。

イボ(非ウイルス性)

イボにはウイルス性のものと、非ウイルス性のものがあります。 特に、首のイボは非ウイルス性のアクロコルドン・スキンタッグ・脂漏性角化症とよぼれているものが多いです。 原因としては加齢による水分不足で肌が乾燥し、バリア機能が低下しダメージを受けやすくなるため、イボができやすくなります。 また摩擦よる刺激は、積み重なると首のイボの原因となります。 首以外にも、脇の下、胸、横腹、鼠径部(そけいぶ)などが、イボができやすい部位と言われ、衣服や下着、動作による摩擦が起きやすい場所はできやすいです。 治療としては、レーザーをイボに照射し熱による蒸散で削ります。 また液体窒素による治療は、患部にマイナス196℃の液体窒素に浸した綿球を当て、急激に凍結し細胞を死滅させます。 あとは、小さいイボなどは手術用ハサミで切除します。