ほくろ

ほくろ(色素性母斑)について

未熟な色素細胞(メラノサイト)の増殖によりできて、小さなものは俗にいう “ ほくろ ”と呼びます。 ほとんどは、生まれた時には存在せず、3 〜4 歳頃からできて次第に数が増えていき、20 〜 30 歳代をピークとして(日本人で平均約 10 個)できます。

悪性黒色腫(ほくろの癌)との区別が重要であり、良性と考えられる母斑細胞母斑は経過観察としますが、長径 6 mm を越える黒子、手足の裏にできるもの、比較的大きなもの、年々拡大しているものは,悪性化リスクを考えて外科的切除を検討します。

通常、色素細胞(メラノサイト)の働きは、皮膚の表面の浅い層に存在しており、そこからメラニン(シミの原因でもあります)がつくられ、メラニンにより外界からの紫外線防御を行っています。それにより紫外線による日光障害や皮膚がんの発生を防いでいます。 ほくろの見た目の色は茶色〜黒色、時に青い色、肌色を呈します。形は盛り上がったり、いぼ状だったり、平であることもあります。 俗にいう「いぼ」と見た目上思われるもののなかには、よく観察するとほくろであることがあります。

ほくろ

診断方法

ダーモスコープ(dermoscope,ダーモスコピー検査を行うための拡大鏡)は光源のついた約 10 倍程度の拡大鏡で、ある程度の良性、悪性の判断はつきますが、確実な診断は、組織を一部もしくは全部切除し、顕微鏡による組織検査により確定されます。

治療

当院では外科的な切除(手術)と、炭酸ガス(CO2)レーザーがあります。 整容的には、ほくろを熱による蒸散で表面を削るレーザーのほうがメリットが大きく、抜糸などもありません。しかし、大きさ5ミリ以上で膨らんでいるほくろに関しては、再発率が高いため切除を勧めています。また、組織検査による診断ができないため、安易にレーザーを受けてしまうと悪性腫瘍であった場合、重篤なことを招く場合(生命の危険)があるため、皮膚科専門医による慎重な診断が必要です。

外科的な切除は、保険適応であり、ほくろを確実に切除し、組織検査を行うことができます。切除後に万が一、皮膚がんと診断されても、重篤な問題がおこることはなく、適切ながん治療の対応を行えます。デメリットとしては、線状の傷が残ること、1週間前後に来院し抜糸が必要であることがあります。 当院では皮膚がん治療歴20年以上の専門医による診察により、患者さまにあった治療提案をさせていただきます。