尋常性乾癬

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)について

ガサガサした境界明瞭な紅斑が特徴として全身に出現します。 大きさ、数、形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を作ることもあります。できやすい部位は慢性の機械的な刺激を受けやすい、頭部、肘・膝、臀部、下腿伸側などです。青壮年期に発症することが多く、多発しますが、かゆみを必ず伴うものではありません。 手足の爪の変形や関節炎を伴うこともあります。 発症率は人口のおよそ0.1%と推定されており、徐々に増加傾向にあります。

原因

乾癬になりやすい遺伝的素因であり、決して他人にはうつらない病気です。 遺伝的素因に様々な環境因子(不規則な生活や食事、ストレス、肥満、感染症、特殊な薬剤など)が加わると発症します。 悪化要因としては、感染症、擦ったりする機械的刺激、特殊な薬剤、仕事や家庭でのストレスなどがあり、逆に日光(紫外線)は乾癬に対し良い効果があります。

乾癬の発疹は、全身のどこにでも出ますが、こすれる場所に出やすいという特徴があり、肘、膝、腰まわりなどです。頭も毛髪が伸びる時、毛が皮膚をこするため好発部位となります。

治療

乾癬は慢性で軽快と悪化を繰り返します。通常、外用薬(ステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬が主に使われます)から開始します。 内服薬は、(レチノイド、シクロスポリン、アプレミラスト)が主なものです。 これに紫外線療法があり、波長が311 nm付近の極めて狭い範囲の紫外線が乾癬に有効です。簡便で、照射時間が短く、数日おきに照射を行います。 さらに2010年からは、これらの治療法で十分な効果が得らえない場合、副作用などで内服薬が使えない場合には抗体療法という新しい治療が使えるようになりました。

注意点

また、乾癬の病型の中に、発熱、全身倦怠感をともない全身の皮膚に潮紅と膿疱が多発するものがあり汎発性膿疱性乾癬とよばれるのもがあります。重症型であり、炎症症状が強く尋常性乾癬と病像が相当異なり入院治療を要します。 診断、治療に関しては皮膚科専門医に相談しましょう。

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