ほくろ(色素性母斑)について
未熟な色素細胞(メラノサイト)の増殖によりできて、小さなものは俗にいう “ ほくろ ”と呼びます。 ほとんどは、生まれた時には存在せず、3 〜4 歳頃からできて次第に数が増えていき、20 〜 30 歳代をピークとして(日本人で平均約 10 個)できます。
悪性黒色腫(ほくろの癌)との区別が重要であり、良性と考えられる母斑細胞母斑は経過観察としますが、長径 6 mm を越える黒子、手足の裏にできるもの、比較的大きなもの、年々拡大しているものは,悪性化リスクを考えて外科的切除を検討します。
通常、色素細胞(メラノサイト)の働きは、皮膚の表面の浅い層に存在しており、そこからメラニン(シミの原因でもあります)がつくられ、メラニンにより外界からの紫外線防御を行っています。それにより紫外線による日光障害や皮膚がんの発生を防いでいます。 ほくろの見た目の色は茶色〜黒色、時に青い色、肌色を呈します。形は盛り上がったり、いぼ状だったり、平であることもあります。 俗にいう「いぼ」と見た目上思われるもののなかには、よく観察するとほくろであることがあります。