花粉症

花粉症

花粉が飛ぶ季節になると始まる、くしゃみ、鼻水、鼻づまり。スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で生じるアレルギー症状を「花粉症」と呼びます。医学用語では、「季節性アレルギー性鼻炎」。現在、日本人のおよそ4人に1人が花粉症だと言われています。

花粉症と言えば、スギ花粉症がよく知られていますが、このほかにもさまざまな花粉症を引き起こす植物があります。

スギ

スギ(2月~4月)

本州、四国、九州の山中に分布する。花粉症の原因植物の代表格。

ヒノキ

ヒノキ(3月~4月)

本州の福島以南と四国、九州に分布する。スギ花粉に似たアレルギー物質を持つ。

イネ科

イネ科(5月~10月)

カモガヤ(5月~6月)、オオアワガエリ(6月~8月)、ススキ(9月~10月)など。

ハンノキ

ハンノキ(1月~4月)

日本全土に分布し、森や湖などの湿地に多い。

シラカンバ

シラカンバ(3月下旬~6月)

北海道や本州の中部以北に分布している。スギ花粉症がほとんどない北海道では、シラカンバ花粉症が多い。

ブタクサ

ブタクサ(8月~9月)

東北以北は少ないが、日本全域に分布する。秋の花粉症の代表格。

ヨモギ

ヨモギ(9月~10月)

日本全域に分布する。

カナムグラ

カナムグラ(8月~10月)

日本全域に分布し、特に関東地方に多い。

「花粉症かな?」と思ったら…

「花粉症かな?」と思ったら、自分で判断する前に、近くの医療機関にかかってください。花粉症を起こしている原因植物も、症状の出方も人によってさまざまです。まずは原因を探り、自分に合った治療方法を見つけることが大切です。 本当に花粉症なのか、花粉症であるなら何が原因なのかは、次のような検査によってわかります。

血中IgE検査

血液検査には、血中の総IgEが多いか少ないかを調べる検査と、花粉に反応するIgE(特異的IgE)を調べる検査があります。検査代は、IgEの総量を調べる検査が1,000円。原因となるアレルゲンを調べる検査は、1種類1,100円で、1回の検査あたり14,300円が上限です。 上記に加え検査判断料として1,440円かかります(検査判断料は、免疫学関連の検査をいくつ行っても1,440円で、月に一回かかります)。

薬物療法

花粉症治療の基本は、薬を使った対症療法で、主に次のような薬が使われます。

抗ヒスタミン薬

薬剤治療のベースになるのが、「抗ヒスタミン薬」。ヒスタミンの働きをブロックし、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状を抑えてくれます。 これまでは「花粉症の薬は眠くなる」と言われがちでしたが、眠気などの副作用が軽減された「第2世代抗ヒスタミン薬」が登場し、今ではこちらが主流になりました。

抗ロイコトリエン薬

ロイコトリエンは、ヒスタミンと同じようにアレルギー反応を起こす化学物質です。特に、血管を拡張させる作用がある(=粘膜が腫れて鼻づまりを起こす)ため、このロイコトリエンの働きを抑制する「抗ロイコトリエン薬」は鼻づまりが強いときに使われます。

鼻噴霧用ステロイド薬

くしゃみや鼻水などの鼻の症状が強いときに使われます。「ステロイド=副作用が強い」というイメージがあるかもしれませんが、 「鼻噴霧用ステロイド薬」は鼻だけに効くようにつくられているため、副作用は少なくて済みます。

 

免疫療法

一方、根治療法として期待されているのが、「アレルゲン免疫療法」です。花粉症の原因となっている物質(=アレルゲン)を少ない量から取り入れ、徐々に増やして、免疫を獲得しようという治療法。花粉に反応する体質自体を変えていこうという考えです。 治療には2~3年かかりますが、花粉症が治り得る唯一の治療と言われています。

これまでは注射で行われていましたが、最近ではもっと手軽な「舌下免疫療法」に関心が高まっています。2014年1月には、国内初となるスギ花粉症と対象としたアレルゲン免疫療法薬「シダトレン(R)スギ花粉舌下液」が厚生労働省の承認を受けました。 舌の裏側に薬を滴下し、そのまま2分間待ってから飲み込むというもの。注射のように痛みもなければ、1ヶ月に1回ほどの通院で済みます。

 

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