赤ら顔(酒さ)

赤ら顔 酒さ(しゅさ)とは

酒さ(しゅさ)は中高年の顔、とくに鼻に出現する、ぼやっとした赤みと血管の拡張が数か月から数年続く病気です。顔があかくなる病気で酒さと似ているのは、酒さ様皮膚炎と毛細血管拡張症です。

毛細血管拡張症は、かゆみなどの自覚症状がない点で酒さと異なります。顔の赤みが酒さかどうかは診断が難しいですが、酒さは中高年で多くみられ、若い人の酒さは多くありません。若い人は毛細血管拡張症であることは多いです。

酒さの症状

第1度酒さ:紅斑毛細血管拡張型

酒さ(しゅさ)の最初の症状は鼻の先端部、眉間(みけん)、顎(おとがい、あご)の赤み・ほてりがでてきます。最初は一過性で出たり消えたりしている状態です。 その後、次第に続くようになり、毛細血管の拡張がでてきます。 気温の変化や飲酒で症状が悪くなりがちになります。 かゆみ、ほてり感、皮膚の知覚過敏などの自覚症状があります。 自覚症状があるのが毛細血管拡張症との違いです。 第一度の酒さ 鼻の尖端に蛇行している毛細血管が見られます。

第2度酒さ:丘疹膿疱型

さらに症状が進行すると、ニキビに似た症状となり、皮脂の分泌も亢進します。 それとともに症状は顔全体に広がっていきます。 第2度の酒さ 毛細血管の数が増えて拡張しています。一部にニキビ様の皮疹があり、鼻はデコボコしはじめています。 第2度の酒さ あわい毛細血管の拡張がひろがっています。ニキビ様の皮疹がみれます。

第3度酒さ:腫瘤型

ニキビのような皮疹が集まってかたまりとなり腫瘤を形成していきます。 鼻の毛穴が目立つようになり皮膚の凹凸にかわっていきます。 色は赤むらさき色になり、″みかんの皮″のような外観になります。これを鼻瘤(びりゅう)とよびます。

眼型

皮膚の症状ではありませんが、目の周囲の腫れ、結膜炎、角膜炎がおこります。 皮膚の症状に先行しておこることが約20%の患者さんでおこります。

酒さの原因

原因は不明です。 皮膚局所の免疫反応の異常から、日光、精神的ストレス、飲酒、辛いものなどの刺激物の摂取、ニキビの原因となり毛包虫などの外部からの刺激にたいする感受性が高まっているという説があります。

酒さの治療

刺激を避ける

辛いものなどの刺激物、過度の日焼け、ストレスをなるべく避け、飲酒量を減らします。

内服治療

抗生剤内服

ドキシサイクリン(ビブラマイシンRなど)、ミノサイクリン(ミノマイシンRなど)、ロキスロマイシン(ルリッドRなど)などの抗生剤の低用量内服をおこないます。通常の量の半分量を長期間内服します。

漢方薬

黄連解毒湯、加味逍遙散、桂枝茯苓丸などをその人の症状により使い分けます。

外用療法

ロゼックスゲル

ロゼックスゲルはメトロニダゾールという抗菌剤が含まれたゲルで、酒さに効果があります。※2022年5月より「酒さ」の病名に対して保険適用になりました。

副作用

皮膚のかゆみ、赤み、乾燥、かぶれ、灼熱感、出血などの症状が報告されています。

使えない方

・妊娠中の方、授乳中の方 ・脳膿瘍、多発性脳梗塞、てんかん、髄膜炎、ラクナ梗塞、認知症、パーキンソン症候群などの病気がある方

Beauty

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